
「30代からじゃ遅い?」──そう思っている人ほどチャンスを逃している
30代になると、仕事にも慣れ、ポジションも安定してくる一方で、
「このまま今の収入でいいのか?」と不安を感じる人が増えます。
リクルートの『転職市場動向2024』によると、
**30代転職者の約45%が「年収アップを目的に転職を検討」しており、
そのうち実際に年収100万円以上アップした人は26%**にのぼります。
(出典:リクルートワークス研究所 転職市場データ2024)
私はWEB・児童福祉・建設業界の3業界で人事部長を務め、
現在も企業向け採用支援を行っていますが──
30代からの年収アップ転職に“遅すぎる”ということはありません。
ただし、「がむしゃらに応募する人」と「設計して動く人」では、結果に大きな差が出ます。
なぜ30代からの転職で年収を上げるのは難しいと言われるのか?
多くの30代が転職でつまずく理由は3つあります。
- 「即戦力」への期待が高まるため、評価軸が変わる
- 20代のようにポテンシャル採用では通用しない
- 家庭・住宅・子育てなど“失敗できない心理”が強くなる
つまり、30代の転職は「守りに入る」ことでチャンスを逃しやすいのです。
ですが、視点を変えれば──企業にとって“経験と安定感”を両立できる世代。
上手に自分を“戦略的に見せる”ことで、年収100万円アップは十分可能です。
年収を上げた人・上げられなかった人の違い
私の支援した30代転職者の中で、
同じ営業職からの転職でも「年収+120万円」と「年収−30万円」に分かれたケースがありました。
Aさん(年収アップ成功)
転職前に「自分の強みを定義」し、実績を“数値化”して提示。
面接では「顧客単価の向上施策」「再現できる成果」を語った。
結果、同業他社でリーダー職として採用、年収+120万円。
Bさん(年収ダウン)
現職への不満を主軸に転職活動を開始。
「給与が低い」「残業が多い」など“ネガティブ動機”が中心。
面接では「何をしたいか」が曖昧で、評価は伸びず。
この2人の差は、“実績の整理”と“目的の明確さ”でした。
30代転職は、キャリアの「棚卸し」ができているかどうかで明暗が分かれます。
30代転職市場のリアルと評価ポイント
厚生労働省『令和6年労働経済白書』によると、
30〜34歳の平均年収は約460万円、35〜39歳では約510万円。
(出典:厚生労働省 労働経済白書2024)
一方、転職で100万円以上上がる人の特徴をdodaの分析では次のように示しています:
- 「転職理由を前向きに説明できる」
- 「専門スキルを横展開できる」
- 「マネジメント・企画・分析など“1段上の視点”を持つ」
つまり、30代転職では「即戦力+伸びしろ」のバランスが鍵。
企業は“経験を再現できる人”を評価します。
30代で年収100万円アップを実現する3ステップ
Step1. 自分の「再現性スキル」を明確化する
これまでの実績を“数字とプロセス”で整理しよう。
たとえば、
- 「売上〇〇%増」「離職率〇%改善」など成果を数値で示す
- 「どのように」「何を工夫して」達成したかを言語化
→ この“再現できる力”が他社で評価されるポイントになります。
Step2. 市場価値を知る「キャリア棚卸し分析」
ミイダス・OpenWork・dodaなどで、同年代・同職種の年収レンジをリサーチ。
「自分の相場を知らずに転職する」のは、
まるで“地図を見ずに山登りする”ようなものです。
💡元人事のアドバイス:
WEB業界ならポートフォリオ、建設業界なら資格と工期実績、
福祉業界なら職員育成力と離職率改善データ。
“見える証拠”を出せる人ほど、評価が早い。
Step3. 年収交渉は「根拠×自信×比較」で臨む
面接の最後に、こう伝えてみましょう:
「これまでの実績とスキルを御社の成長領域で活かせると考えています。
市場相場を踏まえ、年収○○万円を希望しております。」
根拠ある希望年収は“交渉”ではなく“合理的提案”です。
人事はむしろ「自分の価値を理解している」と好印象を持ちます。
30代転職の鍵は「自己理解×市場理解」
30代からの転職は、「過去の実績を整理する時間」でもあります。
焦らずに、“キャリア設計を立て直すチャンス”と考えることが重要です。
年収100万円アップは、特別な才能ではなく“戦略の副産物”。
自己理解と市場理解を重ねれば、あなたの経験は必ず「価値」に変わります。
明日からできるキャリア設計ワーク
- 自分の過去3年間の成果を“数字”で書き出す
- 転職サイトで3社分の求人年収を比較する
- 1週間で1つだけ“再現性スキル”を見える化する
小さな行動からでOK。動き出せば、キャリアは確実に変わり始めます。
まとめ
30代転職で年収100万円アップを叶える人は、
「偶然」ではなく「設計」で動いています。
転職は“勢い”ではなく“戦略”。
そして戦略には、自分の価値を理解する時間が必要です。
👉 キャリアアドバイザーの転職相談サービスでは、
自己分析・市場分析・交渉戦略を一気通貫で支援。
“30代からの逆転キャリア”を一緒に設計します。


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