【元人事が暴露】未経験OKの裏側|ブラック企業を見抜く3つのサイン

キャリア設計

「未経験OK」──その言葉、信じて大丈夫ですか?

「未経験OKの求人に応募したのに、研修もほとんどなく現場に放り出された」
「“人柄採用”と書かれていたけど、入社後はノルマ漬け」

こうした相談を、私はキャリア支援の現場で数多く受けてきました。
WEB業界・児童福祉業界・建設業界で人事部長を務めた経験から断言できるのは、
“未経験OK”は、企業によって意味がまったく違うということです。

この記事では、企業向け採用支援を行う現役キャリアアドバイザーとして、
“育てる会社”と“人を使い捨てる会社”を見抜くための具体的なポイントをお伝えします。

「未経験OK=優しい会社」ではない

多くの求職者が、「未経験OK=研修が充実している」「人柄を重視してくれる」と考えがちです。
しかし実際は、「人手不足だから誰でもいい」という理由で募集している企業も少なくありません。

特に、人材定着率が低い業界では「未経験OK=即戦力の確保手段」となっている場合も。
こうした企業は、入社後の教育よりも**“数合わせ”を優先する傾向**があります。


企業が「未経験者」を採用する3つの理由

リクルートワークス研究所の2024年調査によると、
中途採用企業の約68%が「未経験者の採用を実施」と回答しています。
(出典:リクルートワークス研究所「中途採用実態調査2024」

ただし、その背景は三者三様です。

採用理由企業の本音リスク
①育成投資型若手を一から育てたい教育コストが高い
②業務補填型人手が足りないので即戦力を期待放任・離職が多い
③数合わせ型離職率が高く常に募集ブラック化の可能性大

“未経験OK”の文言だけでは、どのタイプか分かりません。
だからこそ、「求人票の裏側」を読む力が必要です。


3業界で見た「未経験OK」のリアル

●WEB業界の例:

スタートアップでは「未経験歓迎」の求人が多いものの、実際は即戦力に近い期待をされるケースが多いです。
私が人事部長をしていた会社でも、研修より“自学できる人か”を重視していました。
「教えられ待ち」の姿勢では、3ヶ月で見切りをつけられることも。

●児童福祉業界の例:

未経験OKが多い業界ですが、「資格取得支援」や「OJT制度」の有無がカギ。
現場は感情労働が多く、支援体制の薄い施設ではメンタル離職が続出します。
“支える人を支える文化”がないと続きません。

●建設業界の例:

未経験採用を積極的に行う企業が増えていますが、教育制度が整っている会社はまだ少数。
「安全教育」「資格取得補助」「現場同行」などの項目があればホワイト寄り。
逆に「すぐ現場」と書かれていたら注意が必要です。


“育てる会社”を見抜くための5つのチェックポイント

1. 求人票に「育成に関する具体的記載」があるか

→ 「研修制度あり」ではなく、「3ヶ月のOJT」や「先輩同行期間あり」など具体的な記述があるか確認。

2. 面接で「入社後の成長ステップ」を説明してくれるか

→ 面接官が“教育設計”を語れない企業は、育てる意識が薄い。

3. 評価・フィードバック制度があるか

→ 「年1回の面談」「スキルチェック表」など、成長を可視化できる仕組みがあるかを質問。

4. 定着率・離職率を公表しているか

→ 採用ページや口コミサイトで確認。離職率20%以下なら比較的安定。

5. 社員インタビューに“未経験入社のリアル”があるか

→ 公式サイトで「入社○年で○○を担当」といった成長事例を発信している企業は、育成文化が根付いています。


ブラック企業を避ける“求人票の違和感”3選

  1. 「アットホーム」「夢を叶えたい方」など抽象的表現が多い
     → 具体的な業務内容や教育内容が書けない会社に多い。
  2. 給与幅が広すぎる(例:月給20〜45万円)
     → 実績よりも“残業・歩合依存”型の可能性あり。
  3. 「研修後すぐリーダーへ」など成長スピードが異常に早い
     → 教育ではなく“人の入れ替え前提”の危険信号。

「求人票を読む力」を鍛える3つの行動

  1. 応募前に、求人票を「条件・制度・文化」に色分けして読む
     → 例:条件=青、制度=緑、文化=赤など。
  2. 口コミサイトで「未経験者」「1年以内退職」で検索
     → 実際の育成環境が見える。
  3. 面接で「新人の1日」を質問する
     → 教育フローが明確に答えられれば、育成体制がある証拠。

まずは、1社でも“教育を語れる企業”を探すことが第一歩です。


本当に“育てる会社”を選べばキャリアは伸びる

“育てる会社”に入ると、未経験からでも3年後には「専門職」「リーダー」へと成長できる。
反対に、放任体質の企業に入ると、1年で燃え尽きてしまう人も少なくありません。

キャリアの成否は「入社後の環境選び」で8割が決まります。
焦らず、情報を精査する力こそが、未経験転職の最大の武器です。


「転職前にやっておきたい“求人見極めワーク”」

  • 求人票から「教育・評価・定着」に関するキーワードを抜き出す
  • 企業HPで「社員インタビュー」「教育制度」をチェック
  • 面接で「どんな人が育っているか」を質問

👉 紙に3社分を並べて比較すると、“言葉だけの会社”が一目で分かります。

まずは1つ行動を。
見抜く力を磨けば、“育ててくれる職場”は必ず見つかります。


まとめ

転職は「勢い」ではなく「設計」。
そして、設計には“企業を見抜く力”が欠かせません。

キャリアアドバイザーの転職相談サービスでは、
自己分析・市場分析・求人戦略を一気通貫で支援。
“転職してよかった”と思える道を、一緒に設計します

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