「年収が上がる人・上がらない人」元人事部長が見た“決定的な違い”とキャリア戦略

キャリア設計

なぜ、同じように働いても「年収が上がる人」と「上がらない人」がいるのか?

「自分はこんなに頑張っているのに、なぜ評価されないのか」
──これは多くのビジネスパーソンが一度は抱く疑問です。

私がWEB・児童福祉・建設の3業界で人事部長を務めていた頃も、
「誰よりも努力しているのに昇給しない」と悩む社員を何十人も見てきました。

しかし、長年評価側にいた人事の視点で見ると、
“報われない人”と“年収が上がる人”には、明確な差が存在します。

その差は「能力」よりも──戦略と伝え方にあります。


努力しても年収が上がらない人の共通点

多くの人が「上司が見ていない」「会社の評価制度が不公平だ」と感じます。
実際、マイナビの『2024年版 会社員の年収満足度調査』では、
64.3%が「自分の年収に納得していない」と回答しています。
(出典:マイナビニュース調査2024

特に日本企業では、「成果よりプロセス重視」「上司評価の主観」など、
評価制度の透明性に課題が残っているのも事実です。

ですが、年収が上がる人はその前提を理解した上で“攻略法”を持っているのです。


評価を誤解して年収を逃したケース

私が建設業の人事部長をしていた頃、
ある40代の現場監督Aさんは「資格も経験も豊富なのに給料が上がらない」と嘆いていました。

彼の仕事ぶりは確かに真面目で、トラブルも少ない。
しかし、評価面談のときに彼が語ったのは「頑張っています」「人より早く帰らず残業しています」という努力量のアピールばかり。

一方、別の若手社員Bさんは、「担当現場でクレーム件数を半減させ、利益率を3%改善した」と成果を数値で説明していました。

結果、昇給したのはBさん。
同じ努力でも、「評価の言語」が違うだけで年収は変わるのです。


年収が上がる人は“評価軸”を理解して動く

評価制度の本質を一言で言えば──
「会社にどれだけ貢献したかを、数字と行動で証明する仕組み」です。

年収が上がる人は、この仕組みを理解し、
上司が求める「成果指標(KPI)」を明確に掴んでいます。

  • 建設業では:「安全性・納期遵守・原価管理」
  • WEB業界では:「成果物の品質・顧客満足・改善提案数」
  • 福祉業界では:「離職率低下・保護者満足・職員育成」

つまり、“何を成果として見なされるか”を事前に把握することが、年収アップの第一歩です。


年収が上がる人になる3つのキャリア戦略

Step1. 「評価シート」を逆算的に読む

ほとんどの企業には、形は違えど評価基準シートがあります。
それを「提出するための書類」ではなく、“上司の採点基準書”として読むのがコツ。

→ 例えば、項目に「主体性」「改善提案」があるなら、
日々の業務で“見える形の提案”を残しておく(メール・議事録・週報など)。


Step2. “数字で話せる仕事”を意識する

年収が上がらない人ほど、「頑張り」「努力」「真面目さ」を語ります。
一方、上がる人は「〇〇%改善」「〇〇件対応」「〇〇時間短縮」とデータで伝える

数字は人事・経営層に伝わる“共通言語”です。
1つでも成果を数値化しておくと、評価は劇的に変わります。


Step3. 「上司との定期コミュニケーション」で見えない評価を掴む

評価は期末だけで決まるものではありません。
上司との1on1・週次報告・相談タイミングの積み重ねが、
「この人は伸びている」「任せられる」という印象を作ります。

児童福祉の現場で、ある保育士が月1回の面談で「子どもの成長記録」を簡潔に共有したことで、
主任昇格が早まった例もあります。
“伝え方”がキャリアを早めるのです。


年収が上がる人は「評価制度の外側」も動かしている

評価制度は平等ではありません。
しかし、上手に使いこなす人ほど、自分の市場価値を高めています。

年収が上がる人の共通点は──

  • 評価軸を理解している
  • 数字で語れる
  • 期待を先回りして行動する

つまり、「評価を待つ人」ではなく「評価を設計する人」なのです。


明日からできる3つの行動

  1. 評価基準を“上司視点”で読み直す
     → 「上司が何を成果とみなすか」を1行メモしておく。
  2. 週1で自分の成果を“数字で”整理する
     → 月末まとめよりも、週単位で可視化する方が効果的。
  3. 1on1で“自分の成長テーマ”を宣言する
     → 「次は〇〇を改善したい」と伝えることで、期待値が上がる。

まずはこの3つでOK。評価は“見せ方”で変えられます。


まとめ

転職も昇給も、根本は同じ。
「成果を伝える力」がある人ほど、年収は上がります。

転職市場では、評価制度を“企業外”に広げることも可能です。
あなたの実績を正しく伝えられれば、他社はもっと高く評価してくれる。

転職は「勢い」ではなく「設計」。
そして設計には“自分を理解する時間”が必要です。

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