
社会人3年目、ふと感じる「このままでいいのか」
「今の仕事が向いているかわからない」
「転職してみたいけど、自分に何ができるか分からない」
20代のキャリア相談で最も多いのは、この2つです。
厚生労働省の調査によると、新卒入社3年以内の離職率は約3割。
「キャリア迷子」は珍しくありません。
私はWEB業界・児童福祉業界・建設業界の3業界で人事部長を務めた経験がありますが、どの業界でも20代は「試行錯誤の時期」。
ただし、ここでキャリア設計を意識できる人ほど、30代以降の年収も満足度も上がるのです。
20代のキャリア迷子は増えている
リクルートの調査によると、20代社会人の約62%が「自分のキャリアに不安を感じている」と回答。
背景には「働き方の多様化」「転職市場の拡大」「SNSによる比較意識の増大」があります。
一方で、20代からキャリア設計を行った人の転職成功率は約1.8倍(doda調べ)。
「設計思考」が、キャリアの満足度を大きく左右しています。
年収は“キャリア設計力”と比例する
以下はdoda発表の「年代別平均年収」。
| 年代 | 平均年収 | 傾向 |
|---|---|---|
| 20代 | 約380万円 | スキル・資格で大きく差が出る |
| 30代 | 約460万円 | キャリア設計が反映される層 |
| 40代 | 約540万円 | マネジメント層が増加 |
20代で自分のキャリアを“意識的に設計”している人は、30代で平均+50〜80万円の年収差が出るという調査結果もあります。
なぜ多くの20代が“キャリア迷子”になるのか?
3業界を見てきて感じる共通点は次の3つです。
- 働きながら考える余裕がない(WEB業界に多い)
- 周囲にキャリアのモデルがいない(児童福祉業界に多い)
- 「安定」を優先しすぎて挑戦しない(建設業界に多い)
つまり、自分のキャリアを“俯瞰して見る力”が不足しているのです。
20代で差がつくキャリア設計5ステップ
【STEP1】自己分析 ─ 「強み」と「価値観」を言語化する
20代は“できること”より“選ばれる理由”を明確にすることが大切。
次の3つを紙に書き出してみましょう。
- 自分が得意だと思うこと
- 人からよく褒められること
- 働くうえで大事にしたい価値観
💬 元人事部長の視点:
企業はスキルより「仕事に対する姿勢」で20代を見ています。価値観が合う人ほど成長が早いです。
【STEP2】キャリアの棚卸し ─ 経験を「再現できる強み」に変える
バイト・部活・プロジェクトなど、すべてがキャリアの素材。
「自分がどんな場面で貢献できたか」を具体的に書き出しましょう。
例:
WEB制作の補助で納期を守った → 責任感
保育補助で子どもに信頼された → 共感力
建設現場で整理整頓を徹底 → 安全意識
【STEP3】市場を知る ─ 業界・職種・働き方の“相場観”を持つ
20代はまだ業界選択の自由度が高い時期です。
- WEB業界:成果主義・スピード重視
- 児童福祉:理念重視・安定志向
- 建設業界:実績重視・資格評価
どんな環境で成長できそうか、業界ごとの価値観の違いを知ることがカギです。
【STEP4】働き方改革を味方にする ─ 柔軟な選択肢を持つ
リモート、副業、フリーランス──20代は“働き方の実験期”です。
実際にWEB業界では、20代で副業収入を得ている人が4割を超えています。
児童福祉でも「週4勤務」「ICT記録導入」など、柔軟な環境が広がっています。
💬 キャリア設計士の視点:
「会社に合わせる働き方」から「自分に合わせる働き方」へ。これが次世代のキャリア設計です。
【STEP5】キャリアプランを描く ─ 3年後の自分を設計する
将来を考えるコツは、「長期目標」ではなく「短期行動」に落とすこと。
例:
・1年以内に資格を取る
・3年以内にリーダー職を経験
・副業で自分のサービスを立ち上げる
キャリアは“描いた瞬間”から動き出す。
キャリア設計ができる人は「選択できる人」
キャリア設計ができると、
- 転職の判断に迷わない
- 面接で自信を持って語れる
- 年収アップの交渉ができる
という“選択の自由”が生まれます。
実際、私が支援した20代の転職者の中には、
「年収+70万円アップ」「リモート勤務実現」「職種チェンジ成功」など、
キャリア設計を意識しただけで結果を変えた人が多数います。
明日からできる3つのキャリア行動
① ノートに「自分の得意・苦手」を書き出す
→ まずは自己理解から。3分でOK。
② 求人サイトで“興味のある職種”を検索してみる
→ 情報を知ることが、最初の一歩です。
③ 「理想の働き方」を1文で書いてみる
→ 例:「自分のペースで挑戦し続けられる仕事をしたい」
まとめ:20代のキャリアは「設計次第で無限に伸びる」
転職も昇進も、最初の一歩は“自分を知ること”から。
20代でキャリア設計を始めれば、年収も満足度も両立できます。
私は3業界で人事部長を務め、現在は企業向け採用支援とキャリア設計支援を行っています。
20代こそ、「考える力」と「動く勇気」でキャリアをデザインしていきましょう。


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