転職・就活で失敗しない履歴書の書き方|元人事部長が見る“採用される書類”の条件

履歴書・職務経歴書

「書類選考で落ちる理由がわからない…」そんなあなたへ。

「スキルもあるのに、履歴書で落ちる」──これは多くの求職者が抱える悩みです。
事実、人事が1人の応募者にかける履歴書の確認時間は平均30秒〜1分以内とも言われています。
(出典:リクルートワークス研究所・採用実態調査2024

この短い時間で“合否”を分けるのは、「何を書くか」よりも「どう伝えるか」
私はこれまでWEB業界・児童福祉業界・建設業界の元人事部長として、1万人以上の履歴書を見てきましたが、
通過する人には必ず「伝わる構成」と「一貫性」があります。

本記事では、採用の現場を熟知した立場から、人事が本当に見ている履歴書のポイントと、
「書類で落ちない応募書類」を作る実践ステップを徹底解説します。


履歴書で落ちる“本当の理由”は書き方の問題

「学歴や職歴が弱いから落ちる」と思っている人は多いですが、
実は、人事の視点ではそれほど重視されていません。

書類選考で落とす最大の理由は、“意図が伝わらない履歴書”
たとえば──

  • 志望動機がテンプレートのようで、本人の軸が見えない
  • 職歴欄が「何をしてきたか」だけで、「何ができる人か」が伝わらない
  • 誤字・脱字・空欄が多く、注意力に欠ける印象を与える

このような履歴書は、どんなに優秀でも「採用リスクが高い」と判断されがちです。


履歴書が評価される“3つの基準”

人事が履歴書を見るとき、意識しているのは「評価」ではなく「選別」です。
つまり、「面接に呼ぶ価値がある人か」を30秒で判断します。

人事が履歴書を見る3つの視点

視点チェック内容意図
①職務の再現性今までの経験が、自社の仕事で活かせるか配属後の即戦力性を判断
②コミュニケーション力書き方・構成・文体から伝わる“伝える力”社内外での信頼性を推測
③キャリアの一貫性転職理由・職歴の流れに納得感があるか早期離職のリスクを評価

統計データで見る「書類選考通過率」

dodaが2024年に発表したデータによると、
書類選考の通過率は全体平均で約35%
特に30代以降の転職者は、履歴書・職務経歴書の完成度が合否を左右する割合が高いと報告されています。
(出典:doda転職求人倍率レポート2024


通過する履歴書、落ちる履歴書の違い

【ケース1】WEB業界・30代男性の例

以前、私が採用を担当したWEBディレクター候補に、
「経験年数5年」「スキルは十分」なAさんがいました。
しかし履歴書は──

「業務内容:サイト制作に関わる進行管理全般」

これだけ。

一方、通過したBさんはこう書いていました。

「担当案件:月間UU10万規模のECサイトのディレクション。クライアント折衝〜制作進行〜納品まで一貫対応」

たったこの違いで、人事の印象は180度変わります。
“経験”ではなく“具体的成果と役割”を言語化できているかが、人事の評価軸です。


人事が「採用したくなる履歴書」を作る3ステップ

ステップ①:構成を整える(読みやすさが第一印象)

履歴書はデザインよりも「整っているか」が重要。
チェックすべきは以下の3点です:

  • 余白の取り方(項目間は等間隔に)
  • 手書きなら黒インク・丁寧な文字を
  • 日付・氏名・連絡先は必ず最新に更新

💡人事視点のポイント:
履歴書は“仕事の丁寧さ”を映す鏡。
手書き・PCどちらでも構いませんが、「乱雑」「誤字」「空欄」は即マイナス評価です。


ステップ②:経歴を“時系列+成果ベース”で書く

  • 「会社名・在籍期間・職務内容」を時系列で統一
  • 「担当業務」だけでなく、「成果・工夫・役割」をセットで記載

例:

【株式会社ABC】(2019年4月〜2024年3月)
営業職として法人営業を担当。年間売上目標120%を達成し、チームリーダーとして後輩育成も実施。

💡人事視点のポイント:
「何をしたか」よりも「どんな価値を生んだか」を具体的に。
業務量より“成果の方向性”を見ています。


ステップ③:志望動機は「共感+貢献」で構成する

人事は志望動機から「この人は自社を理解しているか」を読み取ります。
テンプレート的な表現ではなく、“企業との接点”を入れることが大切です。

例:

貴社の地域密着型サービスの理念に共感し、前職で培った営業力を活かして地域課題の解決に貢献したいと考えています。

💡人事視点のポイント:
志望動機に「企業理解+自分の強み+未来の貢献」の3要素があるかを見ています。


履歴書が変われば面接が変わる

履歴書の質が変わると、面接での質問も変わります。
たとえば──

  • 「具体的な成果」を書いていれば、質問は“深掘り型”に変わる
  • 「志望動機」が自社理解を伴っていれば、共感ベースで対話が進む

結果として、“評価される面接”に繋がる履歴書が完成します。

特に、私が見てきたWEB・児童福祉・建設の3業界では、
それぞれに「評価される書き方の特徴」があります。

業界人事が重視するポイント
WEB業界数値・データで成果を示す(PV・CVR・売上)
児童福祉業界人柄・信頼性・継続力が伝わる表現
建設業界資格・安全意識・チーム貢献を明確に記載

行動プラン・セルフワーク

「5分でできる“履歴書セルフチェック”」

紙とペンを用意して、以下の質問にYES/NOで答えてみましょう。

  1. 履歴書のフォーマットが最新か?
  2. すべての欄が丁寧に埋められているか?
  3. 職歴欄に「具体的な成果・役割」が書かれているか?
  4. 志望動機が「企業への共感+自分の強み」で構成されているか?
  5. 誤字・脱字チェックを第三者に頼んだか?

YESが3つ未満なら、履歴書をもう一度整えるタイミングです。
まず1つずつ改善していけば十分。
履歴書は“完璧”よりも“誠実さ”で伝わります。


まとめ

履歴書は「経歴の説明書」ではなく、「信頼を得るプレゼン資料」です。
採用は“勢い”ではなく“設計”。
そして設計には、“自分を理解する時間”が必要です。

「キャリアアドバイザーの転職相談サービス」では、
履歴書・職務経歴書の添削から、自己分析・市場分析・求人戦略まで一気通貫で支援しています。
“転職してよかった”と思える道を一緒に設計しましょう。

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