自己PRで差がつく!採用担当が惹かれる文章構成とNG例・OK例

NG事例解説

「自己PRって何を書けばいいのか分からない…」

転職活動や職務経歴書の作成で、最も多く聞く悩みです。
「強みを書いてください」と言われても、
自分では“何が強みなのか”分からない──そんな人も多いのではないでしょうか。

しかし、人事の立場から言うと、自己PRの出来が合否を分けるケースは非常に多いです。
なぜなら、自己PRは「この人がどんな価値を会社にもたらすか」を示す“人物の設計図”だからです。

私はこれまで、WEB業界・児童福祉業界・建設業界の元人事部長として
延べ1万人以上の職務経歴書を見てきました。
その経験から断言します。

自己PRで「伝え方」を間違えると、経歴が良くても落ちる。
逆に、「構成」を押さえるだけで印象は劇的に変わる。

本記事では、人事の視点で分析した
・自己PRが評価される構成テンプレート
・NG例と改善例
・すぐ使える文例フォーマット
を、具体的に紹介します。


「自己PR=アピール合戦」と思っていませんか?

多くの人が「自己PR=自分を良く見せる文章」だと誤解しています。
しかし、採用現場で見ているのは「アピールの強さ」ではなく、
“その強みが仕事でどう活きるか”

たとえば、こんな文章を見たことはありませんか?

「私は責任感が強く、何事にも粘り強く取り組むタイプです。」

このような文章は印象に残りません。
なぜなら、「誰でも言える」から。

人事が知りたいのは、「どんな場面で」「どんな行動をとり」「何を結果として残したか」
つまり、“再現性のある強み”なのです。


熱意はあるのに伝わらない自己PR

ケース:児童福祉業界志望・20代女性の例

保育士として3年間勤務していたAさん。
自己PRにはこう書いていました。

「子どもたちに寄り添い、明るく前向きに仕事をしてきました。
今後もこの経験を活かし、貢献していきたいです。」

一見、良さそうに見えます。
しかし、これでは**「どんな強みを、どんな形で発揮したのか」**が伝わりません。
実際の現場では、人事はこう感じます。

「寄り添う姿勢は大事だけど、どんな状況でどんな成果を出したの?」

つまり、熱意ではなく“行動+成果”で語ることが大切なのです。


自己PRは「自分の強み」ではなく「企業への提案」

人事の視点で見ると、自己PRの目的は**“この人を採用する理由を見つけること”**です。
したがって、自己PRは「自己紹介」ではなく「提案書」。

あなたが持つスキル・姿勢・経験が、
企業の課題をどう解決できるかを伝えることが本質です。


人事が読みやすい“自己PRの構成テンプレート”

自己PRには、すべての職種に共通する「成功する構成型」があります。
それがこの5ステップ。


自己PR構成テンプレート(5段階)

ステップ内容書くべきポイント
① 結論自分の強み・特性を一言で「私は〇〇が強みです」
② 根拠強みを裏付ける経験「その力を発揮した具体的な場面」
③ 行動実際にとった工夫や努力「課題にどう対応したか」
④ 成果具体的な数字・評価「結果としてどうなったか」
⑤ 未来企業でどう活かすか「御社でこの強みを活かしたい」

フォーマット例(文章テンプレート)

私の強みは、〇〇です。
前職では〇〇の業務を通じて、△△の課題に対し□□を実践しました。
その結果、◇◇という成果を上げることができました。
今後はこの経験を活かし、貴社でも〇〇の分野で貢献していきたいと考えています。

この構成で書くだけで、一貫性・再現性・目的意識の3点が明確に伝わります。


実例で見る“評価される自己PR”と“落ちる自己PR”

✖ NG例(抽象的)

私は責任感が強く、チームでの協力を大切にしています。
今後も仲間と協力して仕事に取り組んでいきたいです。

→ 結果が見えず、「どんな成果」「どんな状況」が伝わらない。


◎ OK例(成果付き)

私の強みは、課題に対して主体的に行動できる力です。
前職では新規顧客獲得のための提案施策を自ら企画し、チームで実行。
結果、前年より契約件数を30%増加させました。
今後は貴社でも、顧客の課題に合わせた提案を通じて業績拡大に貢献したいと考えています。

→ 「強み → 行動 → 結果 → 貢献」の流れが明確で、読む人に印象が残る。


職種別・業界別の自己PR例

業界強調すべき要素例文
WEB業界数値・成果・スピード感「SEO改善を通じてCVR20%向上。数値分析と改善提案を重ね成果を出しました。」
児童福祉業界人柄・信頼・継続力「保護者・職員・関係機関と連携し、3年間継続して同児童の支援を担当しました。」
建設業界チーム力・安全管理・調整力「工事現場で安全管理とスケジュール調整を担当。労災ゼロを3年間継続しました。」

業界によって「数字で語る」「姿勢で語る」など、強調軸を変えることがポイントです。


自己PRを“職務経歴書”に書くときの配置とコツ

位置の基本

職務経歴書の最後(または2ページ目の下部)に「自己PR」欄を設けます。
理由:職歴の流れを読んだあとに、“人柄・強み”をまとめる構成が自然だからです。


レイアウトのポイント

  • 見出しを太字で「【自己PR】」と明記
  • 段落を2〜3に分け、改行でリズムをつける
  • 最後の1文に「企業での活かし方」を書く

例:

【自己PR】
私の強みは課題解決への主体性です。前職では〜〜。
今後はこの経験を貴社の〇〇領域で活かし、チーム全体の成果向上に貢献していきます。


自己PRを磨く3ステップセルフワーク

Step1:自分の“行動パターン”を振り返る

  • どんな時に成果を出せたか?
  • 周囲からどんな言葉をよくかけられるか?

例:「行動が早い」「人を巻き込むのが上手」「最後までやり抜く」


Step2:行動→成果を1セットで書き出す

行動成果
顧客提案を自ら資料化新規契約を5件獲得
業務フローを改善残業時間を月15時間削減
困っている同僚を支援チームのミス率が半減

→ この中から「一番再現できそうなパターン」を選び、PRの軸にする。


Step3:テンプレートに当てはめて文章化

「私の強みは〜です。
この力は〇〇の業務で発揮し、□□という成果を上げました。
今後は貴社の〜に貢献したいと考えています。」

まず1パターン作り、応募企業ごとに最後の文だけ調整するのが効率的です。


人事が語る「響く自己PR」の共通点

3業界で1万人以上の応募書類を見てきた中で、
通過する自己PRには3つの共通点がありました。

共通点内容解説
① 一文が短い1文40字以内読みやすくテンポが良い
② 数字で語る売上・件数・期間客観性がある
③ “私”より“貢献”「活かしたい」「貢献したい」で締める謙虚で好印象

人事の印象に残るのは、“誇張した強み”ではなく“現場で使える力”です。


自己PRが変わると、面接が変わる

自己PRが整理されている人は、面接でも一貫性があります。
「あなたの強みは何ですか?」という質問に、
職務経歴書と同じ軸で答えられる人は、信頼される候補者です。

たとえば──

「強みは課題解決力です。前職では顧客対応の改善に取り組み、クレームを30%削減しました。」

この一文があるだけで、面接官は「この人、話が早い」と感じます。

つまり、自己PRは書類だけでなく面接の基盤にもなるのです。


まとめ

自己PRは“自分を売り込む文章”ではなく、
“企業が求める人物像に合わせて整理する構成”です。

押さえるべきは3つ。

・強みを一言で明確に
・経験・成果で裏付ける
・企業での活かし方で締める

転職は「勢い」ではなく「設計」。
そして設計には“自分の強みを言語化する時間”が必要です。


「キャリアアドバイザーの転職相談サービス」では、
自己PRの添削・書類構成・面接対策まで一気通貫でサポート。
“採用される自己PR”を一緒に設計しましょう。

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