「自己PRがうまく書けない…」その悩み、構成を変えるだけで一気に伝わります。
履歴書や職務経歴書で最も多い相談が「自己PRが書けない」という声です。
特に未経験職種に挑戦する人ほど、「強みがない」「何を書けばいいかわからない」と立ち止まりがち。
ですが、人事として3業界──WEB業界・児童福祉業界・建設業界の元人事部長として採用面接を1,000件以上担当してきた経験から言えるのは、
“完璧な文章”より、“伝わる構成”が大事ということです。
この記事では、未経験者・経験者それぞれに使える「自己PRテンプレート」と「職種別の書き方」を具体的に紹介します。
現役で企業向け採用支援サービスを提供している立場から、実際に通過率を上げた自己PR例も公開します。
「何を書いても薄っぺらく見える」のは“構成のせい”
自己PRに悩む人の多くは、
- 「自分の経験が特別じゃない」
- 「成果を数値化できない」
- 「書いても伝わらない」
という壁にぶつかっています。
実際、リクルートワークス研究所の調査によると、採用担当者の約72％が「自己PRの構成が曖昧だと印象が弱まる」と回答しています。
（出典：リクルートワークス研究所「転職成功要因2024」）
つまり、あなたの「経験の価値」が低いのではなく、見せ方が整理できていないだけなのです。
“うまく書けない人”に共通する3つの原因
人事経験上、自己PRで苦戦する人には共通点があります。
| 原因 | 内容 | 改善の方向性 |
|---|---|---|
| ① 経験を“列挙”している | 「〇〇を担当」「〇〇を学んだ」で止まる | 経験→行動→成果→学びの流れに変える |
| ② 相手視点が欠けている | 「自分がやったこと」だけで終わる | 企業が“何を求めているか”を中心に書く |
| ③ ストーリー性がない | 強みが伝わらず印象が残らない | “問題→行動→結果”で構成する |
これは、どの業界でも共通です。
例えば──
- WEB業界では「スピードと改善力」
- 児童福祉業界では「チーム協働と信頼」
- 建設業界では「責任感と現場力」
といった“価値の基準”が違うため、
同じ経験でも「伝え方」を変える必要があります。
実際に“通過率が上がった”PRの構成
未経験者の自己PR例（事務職志望）
構成：課題 → 行動 → 学び
前職では接客業を経験し、常にお客様の声をもとに改善提案を行っていました。
業務効率を上げるためにマニュアル化を提案し、クレーム対応時間を平均20％短縮できました。
この経験を通して「課題を整理し、仕組みで改善する力」を身につけました。
事務職でも正確さだけでなく、業務改善やチーム貢献を意識して働く姿勢を活かしたいと考えています。
➡ ポイント： 未経験でも「過去の経験 × 応用可能な力」で示す。
経験者の自己PR例（WEBディレクター職）
構成：成果 → プロセス → 強み
前職ではBtoC向けのWEB制作案件を10件以上担当し、リニューアル後のサイトで平均CVRを1.8倍に改善しました。
要件定義からデザイナー・エンジニアとの調整まで一貫して担当し、チームの意見をまとめる力を磨きました。
今後は、数字だけでなくユーザー体験の質を高める設計力を強みに成長していきたいと考えています。
➡ ポイント： 数字・実績・役割を具体的に。
特に「どんな行動で成果を出したか」を入れることで“再現性”が伝わります。
福祉職の自己PR例（経験者）
児童福祉施設で5年間、児童支援と保護者対応を担当してきました。
信頼関係を築くために「傾聴」と「記録共有」を徹底し、年間トラブル件数を約30％削減。
チーム内では新人育成も任され、“チームで成長する職場づくり”を意識して行動してきました。
➡ ポイント： 感情的表現ではなく「行動と言葉の裏付け」を示すと信頼性が増す。
誰でも使える自己PRテンプレート
自己PRテンプレート（未経験者用）
【構成】前職での経験 → 学び・活かせる力 → 応用意欲
例：
私は〇〇業界で△△を担当し、□□を改善するために工夫を重ねました。
その結果、◇◇の成果を得ることができました。
この経験で培った「（強み）」を、御社の〇〇職でも活かしたいと考えています。
ポイント：
- “数字”または“行動”を1つ入れる
- 「強み→活かし方」で終えると締まりが良い
自己PRテンプレート（経験者用）
【構成】実績 → 行動プロセス → 強み → 今後の展望
例：
これまで〇〇職として〇年間勤務し、△△のプロジェクトで□□を達成しました。
その中で、◇◇の課題を自ら改善し、チーム全体の成果に貢献しました。
今後はこの経験を活かし、御社で〇〇領域の発展に貢献したいと考えています。
ポイント：
- 数字・期間・役割を明記することで信頼性が上がる
- 「今後のビジョン」を添えると“前向きな印象”に
“自己PRが変わると、キャリアが変わる”
自己PRを見直すと、
- 面接官が“質問したくなる”内容になる
- 転職エージェントが“紹介しやすくなる”
- 自分自身の強みが整理される
つまり、自己PRはキャリアの棚卸しツールでもあるのです。
私自身、建設業界の採用支援をしていた頃、「話が上手い人」よりも「構成が明確な人」が採用されるケースを何度も見てきました。
伝え方を変えるだけで、あなたの市場価値は何倍にも上がります。
行動プラン・セルフワーク
「5分でできる“伝わる自己PR”づくりワーク」
- 「1番頑張ったこと」を1つ書く
→ 業種は関係ありません。学生時代・アルバイトでもOK。 - その時の「課題」「行動」「成果」を並べる
→ 例：「クレーム対応 → マニュアル改善 → 時間短縮20％」 - “この経験で学んだこと”を言語化する
→ 「課題を整理して仕組みを作る力」など - 応募職種でどう活かせるかを1行でつなぐ
→ 「この力を活かして、〇〇の職場改善に貢献したい」
まずはこの4ステップだけでOK。
たった5分で「なんとなく」から「伝わる自己PR」に変わります。
まとめ｜“転職は設計、自己PRはその設計図の一部”
転職・就職活動は“勢い”ではなく“設計”です。
そして、その設計の中核が「自己PR」です。
自分の経験を整理し、伝え方を磨くことで、
あなたのキャリアはより主体的に、より確実に前進していきます。
「キャリアアドバイザーの転職相談サービス」では、自己分析・市場分析・求人戦略を一気通貫で支援。
“転職してよかった”と思える道を一緒に設計します。
この記事のまとめポイント
- 自己PRは「構成」で伝わり方が変わる
- 未経験者は“活かせる力”で、経験者は“再現性”で語る
- テンプレートを使えば誰でも“通過率が上がる自己PR”を作れる
行動すれば、キャリアは必ず変わります。
今日、あなたの自己PRを“伝わる構成”に書き直してみましょう。
コメント