「5年後どうなっていたい?」に面接官が求める意図|元人事部長が教えるキャリアビジョンの答え方

よくある質問と答え方

「5年後の自分」には“現実と意欲”が問われている

「5年後、どうなっていたいですか?」

面接でこの質問をされた瞬間、頭が真っ白になる方は少なくありません。
「正直、わからない」「ありきたりな答えしか浮かばない」——。

でも、面接官が知りたいのは「完璧なビジョン」ではありません。
WEB・児童福祉・建設業界で人事部長を務めてきた私の経験から言えば、
この質問の本質は “目標を持ち、努力の方向性を描ける人かどうか” を見極めることです。


企業の8割以上が「将来像」を重視している

リクルートワークス研究所の2024年調査によると、
企業の83%が「面接でキャリアビジョンを質問する」と回答しています。
(出典:リクルートワークス研究所「採用と働き方調査」

その理由は、「入社後の定着と成長の見込み」を判断するため。
つまり、“将来像を語れる人=キャリアを自分で設計できる人”と評価されやすいのです。


なぜ多くの人は“未来を語る質問”でつまずくのか

人事の現場では、次のような回答がよく聞かれます。

  • 「御社でスキルを磨いて成長したいです」
  • 「キャリアアップを目指しています」
  • 「リーダーになりたいです」

一見前向きですが、これらは抽象的すぎて伝わらない典型例。

元WEB業界人事コメント:

「“何を通して、どんな価値を生みたいか”がないと、ビジョンとして薄い。」


面接官が“5年後”の質問で見ている3つのこと

評価ポイント面接官が見ている意図補足解説
一貫性志望動機とのつながりなぜこの業界・職種なのかがブレていないか
現実性実現可能な目標か理想だけでなくステップを描けているか
成長意欲向上心・継続性具体的にどう努力しているか

元建設業界人事の声:

「“5年後もこの業界で働く覚悟”が感じられる人は安心して採用できる。」


評価された「5年後のビジョン」回答例

良い例(WEB業界)

「5年後にはプロジェクトリーダーとしてチーム全体の進行を管理しながら、クライアントの課題解決に直接貢献できる立場になりたいです。そのために、まずはデータ分析や企画立案の力を磨きたいと考えています。」

ポイント:業務理解+成長ステップ+貢献意欲の三拍子。


良い例(児童福祉業界)

「子どもたち一人ひとりの発達段階を理解し、家庭や地域と連携できる支援者になりたいです。5年後には新人を育てられる立場として、より良い現場づくりに関わりたいと思います。」

ポイント:共感性+リーダーシップ意識+継続性。


良い例(建設業界)

「まずは現場で安全・品質を確保できる力を身につけ、5年後にはチームをまとめる現場代理人としてプロジェクトを任される存在を目指します。」

ポイント:段階的目標+現場理解+責任感。

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NG回答と修正例|“フワッとした未来”は逆効果

NG回答面接官の印象修正版
「御社で頑張りたいです」抽象的・受け身「御社の○○事業で成果を出せるように、まずは○○を学びたいです」
「キャリアアップしたい」内容が薄い「リーダーとして後輩を育てられる立場を目指したい」
「まだ決まっていません」準備不足「現場経験を積みながら、自分の強みを見つけて方向性を固めたい」

元児童福祉業界人事コメント:

「“迷っているけど考えている”姿勢ならOK。ただし、“何も考えていない”はマイナス評価。」


“5年後”を語るための3ステップ設計法

Step1:過去→現在→未来の順で整理

「これまで○○を学び、今は□□に挑戦しています。5年後には△△を実現したいと考えています。」

Step2:目標を数値・役割で表す

→ 「プロジェクトリーダー」「支援チームの中心」「売上○%アップ」など。

Step3:企業の方向性と接続させる

→ 「御社が目指す□□の実現に、自分も貢献したい」と締める。

元WEB人事コメント:

「会社のビジョンと個人のビジョンが重なる人は、採用後のミスマッチが少ない。」

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行動プラン|明日からできる「5年後ビジョン」作成ワーク

  1. “やりたいこと”を3つ書く
     → 例:「企画を任されたい」「後輩を育てたい」「専門性を深めたい」
  2. そのために“必要なスキル”を3つ書く
     → 例:「分析力」「マネジメント力」「プレゼン力」
  3. それを“今の職種でどう積むか”を考える

→ これだけで“現実的で筋の通ったビジョン”が作れます。


“5年後を語れる人”は、入社後の信頼も早い

実際、入社後に評価されやすい人は、面接で「5年後の自分」を語れた人です。
なぜなら、ビジョンを持つ人は「自走できる人材」と見なされるからです。

WEB業界では「変化を楽しめる姿勢」、
児童福祉では「長期的支援の覚悟」、
建設業界では「責任感と継続性」。

それぞれの業界で共通して評価されるのは、“自分の道を設計できる力”です。


まとめ|「5年後の自分」を語ることは、“今”を定義すること

面接官が求めているのは、理想の未来ではなく、
「自分の成長を自分の言葉で語れる人」です。

だからこそ、“過去の経験”と“未来のビジョン”をつなぐことが大切。
それができれば、あなたの言葉は確実に響きます。


キャリア相談

「キャリアアドバイザーの転職相談サービス」では、キャリアビジョンの整理・面接対策・志望動機の設計を一気通貫で支援。
“5年後の自分”を明確に描けるサポートを行っています。

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