採用担当の本音Q&A「落とした理由・通した理由」
「なぜ自分は落ちたのか」「なぜあの人が受かったのか」。
面接後に感じた“モヤモヤ”──その答えは、採用会議の中にあります。
WEB・児童福祉・建設業界で人事部長を務めた経験から、
採用現場で実際に交わされる本音ベースの採用理由・不採用理由を、
Q&A形式でリアルにお伝えします。
Q1. 「スキルも経験も十分なのに落ちる人」はなぜ?
A. “合う・合わない”の判断はスキルより先に来ます。
実は、採用会議で最初に議論されるのは「この人はうちのチームでやっていけるか?」です。
どんなに実績があっても、面接官が“違和感”を感じた場合は落ちます。
たとえば──
- WEB業界では「個人プレーが強すぎる」
- 児童福祉では「共感力が薄い」
- 建設業界では「安全意識・報連相に不安」
このような“文化適応性”が評価の前提になっています。
スキルだけでなく、「現場に馴染める柔軟さ」が採用可否を左右します。
Q2. 「一次面接で落ちた人」と「最終まで残る人」の違いは?
A. “答え方の構成力”にあります。
面接官は、「話の順序」から思考力を判断しています。
落ちる人は結論があいまいで、聞き手が“評価を言語化できない”。
通る人は、結論→根拠→学びの順で話し、メモに残る。
例:
「前職で営業を担当していました」
→「新規開拓を担当し、前年比120%の成果を達成しました」
→「課題整理と顧客提案の質を意識して取り組みました」
このように“話の筋道”を意識できる人は、最終面接まで残ります。
Q3. 「最終面接で落ちる人」にはどんな特徴がある?
A. “信頼感”が伝わらなかった人です。
最終面接はスキルよりも「任せられるか」を見ています。
特に建設・福祉業界では、「誠実さ」「安定感」「継続力」が最終判断の軸。
ある建設会社の採用会議での一言。
「優秀だけど、目が泳いでた。現場で困った時に相談できなさそう」
一方、通過した応募者はこう評価されました。
「落ち着いていた。困っても周囲に頼れそうだった。」
“人として信頼できるか”という安心感が、最終決定を左右します。
Q4. 「経歴にブランクがある人」はどう見られる?
A. ブランク自体は問題ではなく、“理由の語り方”が重要です。
実際、多くの採用担当は「正直に話す人」を信頼します。
「家庭の事情で1年休職しましたが、その間に資格取得の勉強をしていました。」
このように“前向きな行動”を添えると、ブランクはマイナスになりません。
逆に、「特に何もしていません」と言ってしまうと、採用会議で説明がしづらくなります。
Q5. 「面接官が通した人」と「人事が落とした人」の違いは?
A. “リスクの少なさ”です。
採用会議では、最終判断を人事部が下すことが多いです。
現場が「一緒に働きたい」と言っても、
人事が「定着リスクが高い」と判断すれば不採用に。
たとえば──
- 転職回数が多い
- 受け答えに一貫性がない
- 他社比較の質問が多い
こうした要素は、「すぐ辞めそう」と捉えられやすいです。
人事は“採用後のリスク”を常に計算しています。
Q6. 「採用された人」は最終的にどんな理由で通っている?
A. 「説明しやすい人」です。
採用会議では、面接官が上司や役員に説明します。
「この人は〇〇の経験があり、□□の業務にすぐ活かせます。」
と一文で説明できる人が、通りやすい。
つまり、人事が「会議であなたを推薦しやすい材料」を
面接中にさりげなく渡すことが大切です。
たとえば──
「現場調整やチーム内連携を強みとしてきました。」
この一言が“推薦メモ”になるのです。
採用理由・不採用理由の構造を理解する
採用会議の実態を整理すると、評価は3層構造です。
| 評価項目 | 内容 | 面接官が見るポイント |
|---|---|---|
| ① スキル再現性 | 経験・成果を活かせるか | 数字・具体的事例 |
| ② 組織適性 | チーム文化に合うか | 対話・共感・姿勢 |
| ③ 定着可能性 | 長く働けるか | 安定感・誠実さ・価値観 |
どれか一つでも欠けると「見送り」になりますが、
逆にどれか一つでも際立てば“通過理由”になります。
行動プラン:「次の面接で“通す理由”をつくる3ステップ」
Step1:面接官の「メモに残したい一言」を決める
→ 「チームで成果を出すタイプです」
→ 「数字を追う中で、改善提案もしてきました」
Step2:自分の“定着力”を具体的に話す
→ 「転職後3年は現場を理解しながら力を磨きたいです」
Step3:不採用理由を想定して“逆アピール”を準備
→ 「年齢が高いと思われるかもしれませんが、体力と現場順応には自信があります」
“不安を先回りして解消する”人が、次の選考で通ります。
まとめ
採用担当の本音は、「安心して任せられる人を採りたい」。
つまり、採用理由とは“信頼の根拠”、不採用理由とは“リスクの回避”。
採用は勢いではなく“設計”です。
採用会議の裏構造を理解すれば、合否を左右する要因を自分でコントロールできます。
「キャリアアドバイザーの転職相談サービス」では、
面接評価の再現性・印象設計・不採用分析を徹底サポート。
“通る面接”を一緒に設計しましょう。


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